ワシントンのニュースサイトAXIOS 創設者Mike Allenの記事等より
表記タイトルの記事が書かれたのは本年2月13日、トランプ大統領が未だイラク爆撃に着手する2週間程前の事。
その内容を一言で表現すれば、「トランプ大統領の政治的動きやその手法が社会的に不人気になればなるほど、“彼の強引・脅迫的なやり方が己に向かってくる可能性を恐れ、且つ、おののいている共和党内の議員たち”も、必然的にトランプと距離を置き易くなるし、議会や裁判所も、三権分立に伴う行政府抑制の機能を発揮しやすくなる、それが自然の政治力学だ」といったもの…。
***もっとも、このレポートで執筆者Allenは、上下両院を問わず。議会内でトランプを公然と批判する共和党議員の数はまだまだ少ない、と断ってはいるが…。
それでも、Little by little, week after week, a subtle but significant shift is unfolding in American politicsと主張するわけだ。そして私見では、この見通しは、最近のイラン戦争で一層その現実味を増して来ている様子。
***Mike Allenは、Washington Politicsをカバーする著名ジャーナリスト。
そうした、微妙に風向きが変わりつつある政治力学の例証として彼は、最近の幾つかの事例を取り上げている。
それらは…
裁判でのトランプ政権側措置への原告側提訴が、勝訴(政権側の敗訴)で終わるケースが目立ち始めている…具体例としては、大統領が軍に命じた指示に対し、6名の民主党議員が軍人たちに、そのような非合法的な命令への拒否を勧めるビデオを作製・配信した事例。
司法省は当該の議員6名を訴追したが、その案件を陪審員裁判が却下した。この種の、トランプ司法省が政権の措置への反対者を訴追、陪審員裁判が当該訴追を却下する事例は、今回で5回目だとか…。
政権側の各種措置がこれほどの短期間(1年間)に、立て続けに却下された先例はなく、こんな処にも、トランプ政権の姿勢への一般社会の反対ムードが確実に表れているとAllenは説いている。
***直近では、トランプ大統領が、下記④のエプスタイン事件絡みで、米紙WSJに10billionドルの賠償を求めた事案で、裁判所はトランプ側敗訴を言い渡している(FT2026年4月14日;billionの定義が米英で違うので、ここではFTに従って、英国式のものをそのまま表記)。
***別のニュース(NYT2026年4月8日付)でも、同じような傾向を示す結果が報じられている。NYT紙が調べたところ、トランプ第2期政権が打ち出した政策で提訴された案件は、2025年の1年間で累計650件以上にも達するとのこと。
その内、結審しているのが155件、政権側が勝訴したのが7件、原告が勝訴したのが59件、提訴が退けられたのが87件、或る意味で相打ちのケースが2件だったという。
政府を相手とする、この種の訴訟での原告勝訴が59件もあるのは驚きであろう。そんな原告勝利の代表例ともいうべきは、より直近の、連邦最高裁のトランプ相互関税賦課を大統領権限逸脱と判示した例。
要するに、行政府の決定や行動を司法府が頻繁にチェックするようになって来ている。
ミネソタ州などでの、不法移民取り締まりの強硬なやり方が世論の反発を受け、政権側が大幅な後退を余儀なくされたケース。
そのあおりを受けた形で国家保安省予算が議会で凍結状態になり、且つ、国家保安省長官の更迭を余儀なくされたこと。
トランプ大統領自身も、不法移民対策はもっとソフトタッチなもので行われるべきだと、態度を軟化させざるを得なくなった。
トランプ大統領がカナダに課していた関税の解除を求めた下院の決議案審議に際し、6名の共和党議員が賛成に回り、決議案が採択されたこと。
***尤も、筆者が前回レポートで記述した通り、採決を大統領が拒否した場合、再度下院が3分の2の多数決で同決議案を再可決しなければ、大統領拒否権はOverrideされ得ないルール故、下院としての大統領令最終否決にまでは至らなかったのだが・・・。
エプスタイン・ファイルの開示。トランプ大統領が早急な終結を望んだとされる、不適切な性行為などで収監中に自死した大富豪エプスタイン氏関連の、司法省保管の資料類開示を巡って、同省の資料開示の仕方に批判が集中、結局、トランプ大統領自身が司法長官の首を切らざるを得なくなった。
***最近、男性の連邦下院議員2人が同一日(4月14日)に辞任した。エプスタイン事件程特異なものではないが、事件の根は同じ…。権力や財力を笠に着て女性秘書らに性的関係を迫る…。
辞任を余儀なくされたのは民主党のSwalwell下院議員(Calif)と共和党のGonzales下院議員(TX)の二人。連邦議会の女性議員たちが激しく辞任を迫ったという。
問題はその結果、唯でさえ僅差の、下院での共和党対民主党の勢力関係が一層不安定化することに…。上記2名の議員辞職を加味した、4月12日午後現在の勢力は、共和党218名(1名の無所属を含む)・民主党213名。
ところが4月末には補選で勝ち上がった民主党議員が一人増えるので、218対214になる…。
そんな処に、カリフォルニア選出の共和党議員(Doug LaMalfa議員)が突然死、その補選が6月2日に行われる。万が一、その補選で民主党が勝てば、勢力差は現行の4名から3名に減る。こんな下院の僅差状況が亦、トランプ大統領の下院共和党支配力に微妙に影響してくるはず‥‥。
黒人に対する人種差別。事もあろうに、トランプ大統領自身が投稿した、オバマ元大統領とミッシェル夫人の顔をサルのそれに書き換えた投稿画像。共和党Tom Scott上院議員(SC)等を筆頭に、同党内から厳しい批判が続出。
結局、この投稿は取り下げざるを得なくなった。
***直近では、4月12日(日曜)の夜中、トランプ大統領は自身のTruth Socialに、自らイエス・キリストのような服装をして登場する映像を投稿した。そのタイミングは丁度、大統領が米国出身のローマ教皇を批判した直後の事。
そして、このトランプの投稿が、自ら支持基盤と確信していたキリスト教保守派からの、恐らくはトランプ自身が想定していなかった強烈な批判の嵐を巻き起こしてしまう。
「自らイエスに比するとは、冗談にせよ度が過ぎる」(comparing yourself , even jokingly, to Jesus)と…。こうした批判の嵐を前に、トランプ大統領は翌13日(月曜)には、問題の投稿を削除している。
この削除を記者団に聞かれたトランプ大統領は、「自身がイエス・キリストに準えたように受け取れられたが、実際には、人々を治癒する医者のイメージ象なのだ」と強弁した(the image that appeared to depict him as Jesus Christ was actually the president appearing as a doctor healing people)。
グリーンランドへの姿勢。今冬のダボス会議でのトランプ演説。
その中で大統領は、いかなる手段を講じてでも、グリーンランドを確保するとの決意を表明していたが、こういった姿勢に共和党内から強い反発が出て、大統領は大幅な立場の後退を余儀なくされた。
そして直近では、筆者の観る処、トランプ大統領のイランに対する姿勢も、早晩、大きな批判にさらされるのは必至…。
この最後の点に関連し、議会では、共和党側がトランプ大統領の度重なる虚言・暴言(例えばローマ教皇を非難した等々)、それが与党共和党の支持率低下をもたらしている点を大いに憂慮しているらしい。
一方、民主党は議会上下両院で、大統領の戦争遂行を阻止する決議案の採択を、共和党に何度阻止されても、しつこく指向し続けている。
***直近では、トランプ大統領が議会に求めている、イラン戦争で使い過ぎた軍費を補強するための、国防予算増強要求を巡って、議会共和党内から様々な動きが急に活発になってきた。
例えば、1973年戦争法は、90日以上、つまりは5月末以降、戦争状態が続くようなら、当該戦争状態について議会の承諾を求めなければならないと規定するが、戦費増強とこの議会の承諾期限とを絡み合わせて、以てトランプ政権に具体的な戦略や戦争終結の計画を議会に提出させようとする等など。
要するに、こうした動きは、共和党内にもイラン戦争に関し、とりわけ具体的戦略や最終目標が見えないことに対し、不満と批判が充満している実情を示唆している。
ちなみに、トランプ政権の軍備増額要求も、最初は200billion(ここでの単位は米紙報道に拠るので、米国流の表記)ドルだったのが、最近では80billion~100billionドルへと半減している。こんな数字の変動を示されると、戦争計画の実態が如何に場当たり的なものだったか、そんな現実を見させられる思いがする。
連邦準備制度理事会パウエル議長への、連邦予算流用容疑での司法省の捜査着手への共和党内、例えばThom Tills上院議員(NC)等からの強い批判。
Tills 議員は、司法省が調査を止めなければ、トランプ大統領が次期FRB議長として指名したKevin WarshのRRB理事への議会承認に反対すると述べる程までに…。
この点に関連し、下院共和党のJhonson議長はトランプ政権に対し、パウエル議長への司法省調査に早く決着をつけるよう、強く要請したとのこと。
いずれにせよ、トランプ大統領のイラン戦争着手は、上記のAllen記事(一部筆者の補足説明をも含むが…)のような状況下で行われたわけで、当時の大統領の心底の願望に、国内の風圧を“海外強硬姿勢への転換で和らげたいとの思い”が全く無かったとは言い切れまい。
しかし、そんな目論見(もし、上記推測が正しければの話だが…)は、結果として、現状、逆効果だったように思われる。
***4月12日に公表されたCook Political Report直近版は、こうしたトランプ大統領の、必ずしも世論受けしていない政策打ち出しの故に、11月の中間選挙時に行われる上院議員選で、これまで共和党が優勢と判断していた選挙区で、形勢が民主党優位に変わり始めた選挙区が4州出てきたとレポートしている。
具体的には、互角(Toss-Up)だったノースカロライナ州とジョージア州、この2つの州で、民主党候補優勢(Lean Democrat)に変化。
さらに同レポートは、これまで共和党候補優勢(Lean Republican)と判断していたオハイオ州では、互角(Toss-Up)へと、加えて共和党候補の当選が確実(Solid Republic)と見做していたネブラスカ州で、“確実”視を取り止め、“共和党優勢”(Lean Republican)に格下げしている。
現状の上院議席配分は、共和党53,民主党47。4議席が入れ替われば多数党が逆転する。今回のCook Political Report予測では、民主党は最低でも1議席、多ければ3議席を奪取すると、(現時点での予測として)判じたことになる。民主党にとっては、上院での共和党との票差が、一層の僅差にまで縮まる可能性が出てきた、というわけだ。
***ちなみに、同レポートの下院予測でも、議席の勢力優勢比は民主党の多数派化を予想する方向に傾いている。そこには、後述のような、下院議員たちの大量引退が大きく効いている。
筆者の、今回レポートをここまで読まれた方々は、Washington Watcherとして定評のある、上記Mike Allenが、基本認識として、何故、共和党内でトランプへの恐怖心がそれほど根深く、強烈だと観ているか、不思議に思っておられるかもしれない。
この点(共和党議員たちの恐怖心)を裏付ける資料はないかと、古いファイルを弄っていると、2024年8月16日付のロイーター・ニュースのコピーを見つけた。
2024年の8月と言えば、トランプが共和党の大統領候補としての座を確実にした時期(指名されたのは7月18日)。
そんな時点で書かれたこの記事は、2020年大統領選挙でバイデンに敗れた当時のトランプを、下院が訴追した、その際、当該訴追に賛成した共和党下院議員たちの再選を、トランプ陣営が如何に、或る意味“えげつなく”、且つ、“あらゆる手段を使って執拗に”(候補者本人への脅迫は勿論、予備選段階で共和党内の他の候補、いわば刺客候補を強力に支援する形で)妨げたか、その有様を赤裸々に描いている。
そのタイトルはHow Trump’s intimidation tactics have reshaped the Republican Party。サブタイトルは“former President Trump and his most extreme followers have orchestrated an unprecedented campaign of menace and retribution to purge the Republican Party of officials and activists seen as insufficiently loyal ”。
そうした脅迫・脅しの幾つかのケースの、冒頭例として取り上げられていたのが、共和党下院のTom Rice議員(SC)。
彼が、2024年大統領選挙時の下院選挙(6期目の再選選挙)で、4年前にトランプ弾劾に賛成したが故に、トランプ自身の口撃とトランプ支持派の非難中傷の的となり、選挙戦後半には地域の副保安官が身辺保護のため常時付き添わなければならない程まで執拗に、共和党内予備選の対立候補支持者たち、延いては、その背後にいたトランプ陣営支持者たちからの敵対的態度・脅迫を受け、結局、選挙で敗退の憂き目を見てしまう、そんな実態が、かなり詳細に記述されている。
***後日のロイターの記事は、トランプ弾劾に賛成した10名の共和党下院議員の内、4名が党内予備選でトランプ陣営が支持した対立候補に敗れ、4名が不出馬を余儀なくされ、再選出来たのは僅か2名に留まった、と報じている。
同記事は亦、以下のようにも記している。” Republican who oppose Trump must consider the possibility they’ll face threats or intimidation from his supporters and be driven from politics” 。
***トランプ大統領やその陣営の、共和党内掌握にとって邪魔になる人物は、それが実力者であれ、或いはもっと下位の役職者であれ、軒並みトランプ自身あるいは彼の熱狂的支持層によって、批判され、圧力をかけられ、場合によっては暴力的な脅し、すなわち身体的危機感すら感じさせられている。例えば、当時上院共和党院内総務だったMitch McConnell議員などは、下記のようにトランプ自身のSNSで決めつけられていた。
“Mitch McConnell, one of the worst & most unpopular politicians in the US, And the man that gave the radical left Democrats trillion of dollars for their Green New Deal fake infrastructure Bill without so much as a fight , is spending a fortune of donor’s money on pushing left wing Alaska hater Lisa Murkowski rather than great Republican candidate Kelly Tshbaka- a close race”。
恐らくは、こうした半ば脅迫的批判を常に受け続けたためか、McConnell上院議員は共和党院内総務の座から追われ、精神的にも打撃を受けたとみられ、今や全く精彩のない存在に成り下がっている。
亦、この批判の中に出て来るMurkowski上院議員(Alaska)は自ら受けた恐怖感を後日、NYT紙に吐露している(A Startling Admission From a GOP Senator: ”We ARE All Afraid“:2025年4月18日)
***トランプ政権が、上述のような共和党内での威圧や政敵追い落としを指向したのは、2024年大統領選挙時だけではない。それに先立つ第一期政権時代の中間選挙(2018年)でも、大々的に穏健派追放を試み、結果、当時の共和党主流派だったポール・ライアン下院議長など大勢の議員たちを引退に追いやった先例がある。
要は、トランプ政権下、こうした威嚇と脅迫が横行する状況は、共和党内では周知の事実。トランプ大統領は2024年の選挙期間中、バイデン政権下の連邦議会や民主党支配下の官僚組織を“闇の政府”と呼び、その政府がワシントン政治を牛耳っていると、口を極めて非難していたが、いざ自分が政権を取ったときに、その種の威圧と圧迫を、自らが党内や己の配下にある官僚機構にかけ続けている。
つまり、そんな実態を踏まえて、Mike Allenは上記の記事を書いたわけだ。
***トランプ大統領が外国政府の指導者を非難する場合も、時には、上述してきたような、国内政敵に対する非難と同じような言葉を使いがち。言い換えると、トランプ大統領は、国内政治と対外政治の差も余り明瞭に認識していないのではないかとの、疑念すら湧いてくる。
嘗てはトランプ側近ナンバー・ワンだったスティーブ・バノンは、第一期政権時代のトランプを、下記のような言葉で言い現わしたことがある:「トランプは全てを個人の問題として捉えてしまう…商売やビジネスの観点で世界を眺め、常に相手が自分を出し抜こうとしていると考える…政治の世界を単なる諍いや個人の間の小競り合いの世界ととらえてしまう…」。
だが、筆者見解では、国際政治、延いては国家間の問題を、個人間の問題として捉えるのは、大きな間違い。国家間の問題は、言い変えると、異なった価値観・ルール間で構成される組織対組織の問題なのだから…。
***いずれにせよ、米国議会内の上記のような雰囲気故か、2026年中間選挙を機に、引退を表明している下院議員は58名に達したとのこと(この数字には、それまでの間に辞任していた、もしくは、死去していた計9名は含まれていない)、58名の内訳は、共和党が37名、民主党が21名。
こうした状況を伝えたAP電(2026年3月28日)はこうした流れを、まるで“脱出(exodus)”の様だと形容している。
勿論、その全てがトランプの所為だとは言っていない。むしろ、その下院議員たちの大量引退は、もっと上位のポスト狙いが多い。米国の場合、知事の多選防止のため、州憲法で歯止めをかけるケースが多く、今回も開催される36州知事選の内、15州の知事選は、そんな多選禁止で現職が出馬できないケース。そこを狙って、下院議員を辞職するが州知事選に出馬する、そんな事例も多いのだ。
他方、連邦上院では12名の現職が引退を表明している。そこを狙う下院議員も亦、下院議員引退者リストに名を連ねる。
要は、下院の引退者の全てが、議会内の対立の雰囲気の激化に嫌気を感じたとばかりは言えないのが実情だが、それにしても、下院議員の8人に一人が引退するというのも、何となく異常ではないだろうか…。
以上観てきたように、トランプ大統領のやり方は極めてシンプル。
力に任せて攻めまくる。それを、トランプ自伝の中での綺麗な言葉を使えば、「大きく考え、自らの持つレバレッジを最大限に効かせて、後は押して、押して、押しまくる」、という表現になるのだ。
恐らくは、そんなやり方で、推測でしかないが、彼は長年、不動産取引をやって来たのだろう。そんな天性の強引さが、大統領になってからもトランプの諸々の交渉や決断の背景となっている…。
トランプは、困難があれば、より一層前のめりになる。不動産取引で例えれば、この物件はと思ったならば、思い切って高値で勝負する、そんな手法で…。
だが、不動産取引と政治分野の取引とは全く異質。トランプはそんな初歩的なことを、恐らくは分かっていないのではないだろうか…。
不動産取引なら、どんな高値を付けても、世間が非常識のレッテルを張り、99名の買い手がそっぽを向いても、たった一人買い手が付けさえすれば、それでdeal is doneとなる。亦、そんな取引をしても、悪評は残らない。
だが、政治の場合にはそうはいかない。
政治や統治組織には先ずルールがある。トップが対外的な発言をするにも、まずは内部で揉んで、内容を詰め、それを衆議にかけ、最後は多数決で決める。こうした手順こそが、権力作用としての政治の在り方であり、結果として何か弊害が出ても、システム全体が責任を負うような形で収束させる、そんな仕組みになっているはず。
ところがトランプは、そんなルールを守らない。むしろ、そんなルールを取っ払い、己が独断で決定出来る体制を政権内部で意図的に構築した。
取り巻きも、トランプのやり方に忠言を吐く人物を、むしろ排除している。こうした身の回りの整理、或いは環境整備は、第一期政権時の苦い反省から生じたもの。
第一期政権時は、政界に取り立てて深いコネがあったわけでもなく、共和党内の実務者たちとの間のネットワークもなかったが故に、己の周りには、当時の共和党主流に近い人物が結構多く配されることになった。
そしてそれが、何かにつけ、第一期政権時代のトランプを縛り付け続けた。挙句の果てが、数多くの閣僚や補佐官の解任であり、こうした事例を第二期就任時のトランプは明白に避けようとしたのだ。
つまり、トランプは、自分の不動産会社経営時代のやり方を、第二期トランプ政権のホワイトハウス運営にも応用しようとしたのだ。大統領としての役割を、不動産会社のワンマン社長さながらのやり方で遂行しようとしている…。
イラク戦争、中東戦争、ウクライナ戦争、そのいずれにも、自分が不動産業従事時代に親しかった人物を担当特使として任命し、その補完を娘婿のクシュナーにやらせる。そうした場では、バンス副大統領も、ルビオ国務長官も、いずれも交渉の主役でありながら、絶対的な主役ではない。
実際の交渉の場で、トランプの意を外さないように、己の近い友人や娘婿に監視されながらの交渉なのだから…。
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